刈払い機(草刈機)の機種ごとの違いを説明します

刈払い機(草刈機)の機種ごとの違いを説明します

今回はゼノアとハスクバーナーの刈払い機について、特に機種ごとの違いを詳しく解説していきます。多くのお客様からメールや電話でご質問をいただく内容をベースに、どの機種がどんな特徴を持っているかをわかりやすくまとめました。草刈り機選びに迷っている方、機種の違いを知りたい方、ぜひ参考にしてください。

ゼノア刈払い機の基本機種:BC222とBC2020の違い

まずはゼノアの小排気量モデルからご紹介します。代表的な機種は「BC222」と「BC2020」の2種類です。外観はほぼ同じで、排気量も同じく21.7ccですが、重量には約100gの差があります。BC2020の方が軽量です。

BC222とBC2020の比較

この重量差の主な理由は、BC222に内蔵されたインナーパイプの存在です。BC222はパイプの中にもう一本パイプが入っており、これが耐久性を大きく向上させています。特に草刈り中に右側に刃を振った際の「キックバック」現象でパイプが曲がるのを防ぐための工夫です。

また、ギアケース内のベアリング数も違います。BC222はベアリングが2つ、BC2020は1つです。ベアリングが多い分、ギアケースの強度が高く、ベアリングの破損リスクが減ります。その分、BC222は若干重くなり、価格も高めに設定されています。

BC222のギアケースとベアリング

これらの違いを踏まえると、BC222は障害物が多い場所やキックバックが起こりやすい環境での使用に適しています。一方、BC2020は軽量で扱いやすいですが、キックバック時のパイプの曲がりに注意が必要です。

排気量が小さいため、ナイロンカッターの使用はできるだけ避けたほうが良いです。どうしても使いたい場合は、紐の長さを短くし、回転負荷を抑えるように使うと良いでしょう。理想的には金属刃での使用をおすすめします。

中型機種の違い:BCZ235とBCZ245

次にゼノアの中型刈払い機、BCZ235とBCZ245の違いを説明します。どちらも排気量は22.5ccでエンジンの性能はほぼ同じですが、大きな違いはパイプの素材です。

BCZ235は一般的なアルミパイプを使用。一方、BCZ245はジュラルミン製のパイプで、強度はアルミの約1.5倍あります。ジュラルミンのパイプは肉厚が1.1mmで、BCZ235の1.25mmより薄いですが、その分軽量化されています。

BCZ235とBCZ245のパイプ素材の違い

重量はどちらも約4kgとカタログ上は同じですが、実際にはジュラルミン製の方が強度が高く、耐久性に優れています。特に3輪車などの下がり斜面での使用を想定したBCZ245は、パワーロスを抑えストレスなく使える設計です。ただし、ジュラルミン製のため価格はBCZ235より高めです。

エンジンやキャブレターは共通ですが、マフラーの排気口のサイズが異なり、BCZ245の方が排気効率が良いため回転数が上がりやすいのも特徴です。

BCZ235とBCZ245のマフラー排気口の比較

また、BCZ235とBCZ245には内側に補強パイプは入っていません。補強パイプが入っているのは先に紹介したBC222のみとなっています。BCZシリーズはパイプの肉厚が厚いため、キックバックによる曲がるリスクは軽減されています。

大排気量モデルの比較:BCZ265とBCZ275

さらに大きな排気量モデルとしてBCZ265とBCZ275があります。こちらは排気量が25.4ccで、よりハードな使用に耐えられる設計です。パイプの肉厚は両モデルとも1.5mmと厚く、耐久性が非常に高いのが特徴です。

BCZ265はアルミパイプ、BCZ275はジュラルミンパイプを使用し、ジュラルミン製の方がより丈夫で重い使用にも耐えられます。マフラーの排気口もBCZ275の方が大きく、排気効率が良いため回転数が上がりやすくなっています。

BCZ265とBCZ275のパイプとマフラー比較

ナイロンカッターの使用も問題なく、パワーに余裕があるため、ナイロンカッターを使う際も安心して作業できます。ただし、重量は4.3kgとやや重くなるため、パワーと重量のバランスを考慮して選ぶ必要があります。

これらの機種も内側の補強パイプはなく、ベアリングは2つ入っているためギアケースの強度は十分です。BCZ265は農作業向け、BCZ275は3輪車向けとして位置づけられています。

ロングパイプ仕様の特徴:BCZ245GLとBCZ275GL

次に紹介するのは、BCZ245とBCZ275のロングパイプ仕様です。通常モデルより20cmパイプが長く、届きにくい場所や斜面の作業に適しています。私自身、身長174cmですが、ロングパイプは腰を曲げずに作業できるので非常に使いやすいです。

BCZ245GLとBCZ275GLのロングパイプ

ロングパイプ仕様も両モデルともジュラルミン製で、245GLは4.1kg、275GLは4.6kgの重量です。排気量はそれぞれ22.5ccと25.4ccで、用途や作業環境に応じて選択できます。

パイプの肉厚は275GLが1.5mm、245GLが1.1mm。通常の使い方でパイプが曲がることはほとんどありませんが、障害物が多い場所や3輪車でのハードな使用には275GLがおすすめです。農地など障害物が少ない場所では245GLでも十分に対応可能です。

ハスクバーナの226モデルについて

最後にハスクバーナーの226というモデルを紹介します。ハスクバーナーは日本市場向けに刈払い機をあまり販売していませんでしたが、近年226を発売しました。これはゼノアの刈払い機をハスクバーナーのカラーにしたもので、同じグループ企業による製品です。

ハスクバーナー226モデル

エンジンは2011年の排ガス規制前の型を使用しており、BC222と同様に昔ながらの安定したエンジンです。規制はクリアして販売されていますのでご安心ください。古いエンジンですが、非常に調子が良く、多くのお客様からも好評をいただいています。

価格は同じ排気量のゼノアBCZ265より安価に設定されており、コストを抑えたい方に魅力的な選択肢です。スターターは昔ながらのやや重いタイプで、軽く引ける補助機構はありません。ギアケースのベアリングは1つのみで、耐久性はBCZ265や275と比較するとやや劣ります。

障害物が多い場所やハードな使用には275や265の方が安心して使えますが、コストパフォーマンスを重視する方には226もおすすめです。

ハスクバーナー226のスターターとギアケース

また、226は刃を抑えるホルダーとボルトカバーが一体化したアルミ製で、軽量で扱いやすい設計です。BC2020と同様のホルダーを採用しているため、交換も可能です。

まとめ:用途に応じた刈払い機選びのポイント

今回紹介したゼノアとハスクバーナーの刈払い機は、それぞれ特徴と強みがあります。用途や作業環境によって最適な機種が変わりますので、以下のポイントを参考に選んでください。

  • 軽量で扱いやすい:BC2020や226が適していますが、耐久性には注意が必要です。
  • 耐久性重視・キックバック対策:BC222はインナーパイプと2つのベアリングにより強度が高く、障害物の多い場所での使用に向いています。
  • 中型機種のバランス:BCZ235は標準的なアルミパイプ、BCZ245はジュラルミン製で強度と軽量化を両立。用途に応じて選択可能。
  • 大排気量・ヘビーな作業:BCZ265とBCZ275はパイプの肉厚が厚くパワーもあり、農作業や3輪車での使用に最適です。
  • ロングパイプ仕様:届きにくい場所や斜面作業にはBCZ245GLや275GLが便利。身長や作業スタイルに合わせて選びましょう。
  • コスト重視:ハスクバーナー226は価格を抑えつつ安定したエンジン性能を持ち、初心者や予算重視の方におすすめです。

また、ナイロンカッターの使用については、排気量が大きい機種ほどパワーがあり安心して使えますが、小排気量モデルでは紐の長さや回転負荷に注意してください。理想は金属刃の使用です。

最後に、ロングパイプ仕様は245と275のみの設定となっており、235や265にはロングパイプはありません。長さにこだわる場合は245か275のロング仕様を選ぶのが良いでしょう。

きこりあぐり通販オンラインストアでは今回紹介した全ての機種を取り扱っており、プロの機械整備士が発送前にしっかり検品・試運転を行っていますので、安心してご購入いただけます。アフターメンテナンスもおまかせください。

刈払い機選びに迷ったら、用途や使用環境をよく考え、最適な機種を選んでください。これからも皆さんの草刈り作業が快適になるよう、きこりあぐりチャンネルがお手伝いします。

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