落葉シーズンが始まると、エンジンブロワは本当に役立ちます。街路樹や公園、住宅まわりに散らばった葉やゴミを効率よく片付けられるので、私も現場で重宝しています。ここではゼノア(Zenoah)の背負い式エンジンブロワをモデル別の違いをわかりやすく説明します。プロ目線での使い勝手や特徴、選び方のポイント、メンテナンスの注意点までお伝えしますので、購入を検討されている方や買い替えを考えている方の参考になれば幸いです。
目次
- はじめに:背負い式ブロワの用途とメリット
- EB6200:入門モデルの特徴と向き不向き
- EBZ7500/EBZ7500RH:中堅プロ向けの使い勝手
- EBZ8560/EBZ8560RH:上位モデルの実力と違い
- ノズル形状(丸ノズルとフラットノズル)の違いと注意点
- 背負い機構と振動対策(ラバーダンパーとフリーフローネット)
- ファン素材(樹脂ファンとカーボンファン)の違いと恩恵
- スタータ、エアクリーナー、蛇腹ホースなどの細部ポイント
- モデルごとの主なスペック比較(抜粋)
- おすすめの選び方と使用シーン別アドバイス
- メンテナンスと長持ちさせるためのチェック項目
- 購入案内
はじめに:背負い式ブロワの用途とメリット
背負い式ブロワは、手持ちタイプと比べて長時間の作業でも疲れにくいのが最大のメリットです。手持ちだと腕や手首に負担が集中しますが、背負い式は背中と肩で本体を支えるため、手元での操作に集中できます。
また排気量やファンの大きさによって風量と風速が大きく変わるため、作業内容に合わせて機種を選ぶことが重要です。たとえば庭先や歩道に散った乾いた落ち葉なら中低出力で十分ですが、濡れた葉や路面の泥、詰まったゴミを吹き飛ばすには強力な風量が必要になります。
EB6200:入門モデルの特徴と向き不向き
EB6200はゼノアの背負い式ラインの中では最小クラスにあたるエントリーモデルです。当店で扱っている背負い式ブロワはEB6200以上のラインナップですが、このモデルは「軽さ」と「価格の手頃さ」に重点を置いた作りになっています。
主なポイントは次の通りです。
- 手持ちタイプ(ハンドヘルド)に比べて風量と風速がやや上回る設計
- ハンドヘルドの空気量が13㎥/s程度なのに対し、EB6200は14㎥/s(動画内計測値)
- 風速はハンドヘルドが70〜73m/sに対し、EB6200は約90m/s(理論値)
- 軽量化のためにスタータにEZスタートを採用していない(引き始めが少し重い)
操作面ではノズルの角度調整や伸縮が可能で、スロットル(アクセル)レバーには安全ロック機構が付いています。ただしこのロック機構は一度ボタンを押して完全に「ホールドして放置できる」意味ではなく、あくまで握りやすくするための補助ロックです。私は最初に誤解して「これで最大回転をロックして手を離して作業できる」と思いましたが、そうではありません。軽くグリップを保持することを前提とした補助ロックだと覚えてください。

使いどころとしては、家庭の庭や歩道の清掃、軽作業に向いています。本格的な道路清掃や濡れた落ち葉、粘着性の高いゴミを頻繁に扱う現場では若干パワー不足に感じることがあります。
EBZ7500/EBZ7500RH:中堅プロ向けの使い勝手
EBZ7500は当店で在庫している中でも定番のモデルです。EBZ7500とEBZ7500RHの違いはスロットルの操作位置(RHは右手操作の意味)だけで、エンジンやスペック自体は同じです。ここでは基本モデルであるEBZ7500について説明します。
主な特徴は次の通りです。
- 排気量は約65.6cc(動画内の表示)
- 最大風量は約21.8㎥/min(動画内計測の表現)
- 最大風速は約105.6m/s(理論値として高い数値)
- 左手で回転を制御するレバー、右手はノズル方向固定用のハンドルになっている
- バックパック部にラバーダンパーを採用し振動を軽減
- 前面にかけられたフリーフローネット(メッシュ)でゴミの絡みを抑制
- エアクリーナーはスポンジと紙の二重構造

EBZ7500の操作系はやや実戦向けで、左手のレバーで回転数を決定して固定できる仕組みです。右手はノズルの方向調整用なので、作業中にノズルの向きを変えながら作業する場合に手先の負担が分散されます。作業後に背負いベルトを外すときは、ノズル用のレバーを折りたたんでおけば邪魔になりません。
フリーフローネットは、吸い込み口近くのファンに落ち葉やゴミが直接張り付くのを防ぐ設計です。もしファンにゴミが付着すると吸込み力が落ち、エンジン負荷も上がり性能低下や最悪故障の原因になります。メッシュは定期的に確認して詰まりがあれば取り除くようにしてください。

EBZ8560/EBZ8560RH:上位モデルの実力と違い
EBZ8560はEBZ7500より上位に位置する機種で、排気量や空気量がさらに大きくなっています。ただし最大風速の数値はEBZ7500のほうが大きく表示されていることがあり、これは単純な数字比較だけでは性能を語れないという理由に由来します。
主な仕様(動画内の表記)
- 排気量:約75.6cc
- 最大風量:約28㎥/min
- 最大風速:約98m/s(数値上は7500より低いが、実用的には総合力が上)
この「風速が低く表示されるのに実力は上」という矛盾は、ノズル径や内部導管の設計によるものです。EBZ7500はノズル径が細めで吹き出し口の風速が高く表示されやすい設計ですが、EBZ8560は内径が太く大量の空気を送り出すため、数値上の風速は低くとも実際の吹き飛ばす力は大きくなることが多いです。実際に現場で使ってみると、EBZ8560は濡れた落ち葉や重いゴミでもより確実に飛ばせる印象があります。
EBZ8560はファンにカーボン(炭素繊維)製のファンを採用しているのが7500との大きな違いです。カーボンファンは軽く、慣性が小さいため回転が軽やかで応答性が高いという利点があります。これにより、同じエンジン回転数でも空気の取り込みが効率的になるため、総合的なパフォーマンスが向上します。

操作系は8500系も同様に回転固定が可能なレバーを装備し、RH(右手操作)モデルは右手で指操作できるスロットル配置となっています。右手操作が好みの方や、左手でノズルの角度調整をしたい方にはRHモデルが便利です。
ノズル形状(丸ノズルとフラットノズル)の違いと注意点
ノズルはブロワの性能と使い勝手に直結する重要なパーツです。代表的には「丸ノズル(円形)」と「フラットノズル(平たく広がる形)」があります。小型ハンドブロワや一部の背負い型では平たいフラットノズルをオプションで取り付けられることがありますが、注意点があります。
フラットノズルの良い点は、狭い範囲に風を広く当てられるので掃き集め作業で葉っぱを一定方向に均一に押しやすいことです。しかし大口径の背負い式、高排気量モデルにフラットノズルを付けると、吸入口から入る空気が制限されてしまい、結果的に出力効率が悪化することがあります。つまり吹き出し風量自体は多いが、実際に外に出る風量は吸気不足で低下する恐れがあるのです。
動画内でもゼノアのサービス担当者に確認したところ、EBZ7500クラス以上にはフラットノズルの設定が基本的に用意されていないとのことでした。理由はまさに上記の通りで、丸ノズルの方が総合パフォーマンスが高いためです。EB6200クラスまではオプションでフラットが選べる場合がありますが、現場用途によっては丸ノズルのまま使うことをおすすめします。

背負い機構と振動対策(ラバーダンパーとフリーフローネット)
背負い式の快適性は「いかに振動を背中に伝えないか」にかかっています。ゼノアのモデルはバックパネルとエンジン本体の間にラバーダンパー(ゴム製の緩衝材)を入れることで振動を吸収する構造になっています。これにより長時間作業でも背中への負担が軽減されます。
また、フリーフローネットは吸入口に直接ゴミが巻き込まれるのを防ぎ、吸い込み効率の低下や発火・焼付き防止にも役立ちます。メッシュは定期的に点検・清掃をしてください。詰まりが見つかれば早めに取り除き、交換時期が来たら新品に交換するのがトラブルを防ぐコツです。

ファン素材(樹脂ファンとカーボンファン)の違いと恩恵
先ほど触れたように、EBZ7500は樹脂ファン、EBZ8560はカーボン(炭素)ファンを採用しています。樹脂ファンはコスト面と耐腐食性で優れますが、カーボンファンは軽量で慣性が小さく高回転の応答性が良いという特性があります。
現場での体感としては、カーボンファン採用機はエンジンの回転変化に対する風量の立ち上がりが素早く、細かい回転調整でのコントロールもしやすいです。一方で、もし異物を噛み込んだ場合はどちらもダメージを受けますので、吸込口周りの管理は怠らないでください。
スタータ、エアクリーナー、蛇腹ホースなどの細部ポイント
細かいところですが日々の使い勝手に影響する部分をいくつか説明します。
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スタータについて
EB6200は軽量化のためEZスタート(引き戻しアシスト機構)を省いています。そのため引き始めに多少の力が必要です。大排気量モデルでもEZスタートが採用されないことがありますが、これはスプリングなど補助機構の耐久性の問題があるためです。無理に力任せに引かず、正しい方法で始動してください。 -
エアクリーナー
主要機種はスポンジエレメント+紙フィルターの二重構造で、砂塵や粉塵からエンジンを保護します。スポンジは洗浄して再使用できるタイプが多いですが、紙フィルターは消耗品です。交換時期は作業環境によりますが、常に清潔を保つことがエンジン寿命を伸ばします。 -
蛇腹(フレキシブル)ホース
ノズルと本体をつなぐ蛇腹ホースはスパイラル形状になっています。これは内部抵抗を抑えて気流を直進させるための工夫です。破れや裂けがあると性能が著しく落ちるので、点検して劣化が見られたら早めに交換しましょう。

モデルごとの主なスペック比較(抜粋)
ここでは動画で説明した数値をもとにわかりやすくまとめます。表ではなく箇条で示します。
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EB6200
空気量:約14㎥/min、風速:約90m/s、入門〜家庭向け、スタータはEZなしで引きが重め -
EBZ7500
排気量:約65.6cc、最大空気量:約21.8㎥/min、最大風速:約105.6m/s、樹脂ファン、フリーフローネット・ラバーダンパー装備 -
EBZ8560
排気量:約75.6cc、最大空気量:約28㎥/min、最大風速:約98m/s、カーボンファン採用、フリーフローネット外装とラバーダンパー装備 -
RHモデル
EBZ7500RH、EBZ8560RHは基本仕様は同じだが、スロットルレバーが右手操作に配置されるタイプ
数値の単位や表記はカタログ表記の解釈や計測方法によって差が出ることがあります。また「風速」と「風量(空気量)」の両方を見ることが重要で、単に風速が高いだけでは作業性能を判断できません。ノズル径や導管設計、ファン形状が総合力を左右します。

おすすめの選び方と使用シーン別アドバイス
用途別のおすすめをまとめます。
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家庭用・小規模な庭や歩道
EB6200が使いやすいです。軽くて扱いやすく、価格も手ごろ。長時間ではなく短時間で複数箇所を掃くといった用途に向きます。 -
店舗・公共施設・街路清掃の準備作業
EBZ7500がバランス良くおすすめです。パワーと携行性のバランスが取れており、左手操作が標準のため慣れれば効率よく作業できます。 -
プロの現場、重作業(濡れた落ち葉や泥の除去など)
EBZ8560が最適です。大風量で粘着性の高いゴミにも強く、カーボンファンのレスポンスで作業効率も高いです。RHモデルは利き手や作業の流れに合わせて選ぶとよいでしょう。
ノズルは基本的に丸ノズルを推奨します。フラットノズルは小型機や特定用途で便利ですが、大排気量の背負い式では吸気不足で性能を損なう場合があるため注意してください。
メンテナンスと長持ちさせるためのチェック項目
適切なメンテナンスを行えばブロワは長持ちします。以下は定期的にチェックしてほしい項目です。
- エアフィルターの点検と清掃(スポンジは洗浄、紙は交換)
- 吸気メッシュ(フリーフローネット)の詰まり確認と清掃
- 蛇腹ホースの亀裂・劣化確認
- ファンの変形や欠けの点検(異音がする場合はすぐ停止して点検)
- ダンパーなどの緩衝材の硬化や破損チェック
- スタータロープやリコイルの動作チェック
- 燃料ホースの劣化や漏れの確認
私は出荷前に当店でプロの整備士が検品と試運転を行ってからお届けしていますが、購入後も定期的な点検を習慣にしてください。特に落ち葉や砂が多い現場ではエアクリーナーの詰まりが早いのでこまめに見てください。
ご購入は当店で
当店ではゼノアの背負い式ブロワを取り扱っており、出荷前にプロの機械整備士がしっかり検品・試運転を行ってからお送りします。アフターメンテナンスも対応可能ですので、安心してご検討ください。購入に関しては店頭またはオンラインストアをご利用ください。
商品ページや各モデルの在庫状況は随時変動しますので、具体的な機種名をお伝えいただければ在庫や納期、付属パーツについて詳細をお知らせします。

最後に
背負い式エンジンブロワは用途や作業頻度によって最適な機種が変わります。軽くて扱いやすいEB6200、バランスの良いEBZ7500、パワフルで実戦向けのEBZ8560――それぞれにメリットがあります。数値だけでなくノズル形状やファン材質、背負い心地といった実用面も含めて総合的に判断してください。
私たちはプロの目線でできるだけわかりやすく機種ごとの特徴をお伝えしました。購入やメンテナンスで迷ったらお気軽にご相談ください。現場で役立つ機材選びのお手伝いをさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。