草刈りの現場で常に悩ましいのが「ナイロンカッターの選び方」です。刃の太さや形状によって刈り具合や耐久性、エンジンへの負担が変わります。今回はオレゴンのナイロンカッター類から、ジェットフィット2本出し(Jetfit 2本出し)に対応する「フレキシブレード(Flexiblade)」と「テクニブレード(Techniblade)」を実際に使って比較しました。

この記事について
- 試した機材:オレゴン ジェットフィット2本出し、フレキシブレード2.65mm、フレキシブレード4mm、テクニブレード7mm
- 使用した草刈機:22.5〜23ccクラスの刈払機(いわゆる小排気量機)
- 総括:細い2.65mmは意外に使いやすく切れ味が良い。4mmや7mmは太い茎に強いが、出力が低めの機械では回転不足や絡まりが発生しやすい
- 推奨:刃の太さは草の種類だけでなく草刈機の排気量に合わせて選ぶことが重要
検証に使った道具と条件
今回の比較で用いたものは以下のとおりです。
- ナイロンカッター:オレゴン ジェットフィット(2本出し)
- ナイロンコード:フレキシブレード(Flexiblade)2.65mm、フレキシブレード4mm、テクニブレード(Techniblade)7mm
- 草刈機本体:22.5〜23ccクラスのエンジンを使用(小排気量の汎用刈払機)
- 環境:秋口の硬めの草や丈の高い雑草が混在する現場

フレキシブレード2.65mm(最細)— 軽快でシャープな切れ味
フレキシブレード2.65mmはオレゴンのFlexibladeシリーズ中で最も細いタイプです。特徴は刃面にあるギザギザ(セレーション)で、これは草を「チップの外側で切る」ようなイメージでハサミで切るように草が潰れにくく、きれいに刈れるという利点があります。
実際に使ってみると、意外なことに2.65mmは刈り味が非常に良く、刈った草がきれいに“枯れる”(切断面が乾く)感覚がありました。秋で草が硬くなっている状況でもナイロンが切れない、切れ残るということはなく、耐久性も問題ありませんでした。
2.65mmの最大のメリットは「軽さ」と「扱いやすさ」です。薄く柔軟性があるため、ジェットフィットのようなインサートタイプのヘッドはもちろん、巻きつけ式(ラップタイプ)にも使える点が利便性を高めます。特に小排気量機との相性が良く、エンジンの回転数がそこまで高くなくても十分にパフォーマンスを発揮しました。
実用上のポイント(2.65mm)
- 細くてもギザギザがあるため切断力は高い
- 刈り跡がきれいで枯れやすい
- 小排気量機(22〜23cc)でも使いやすい
- インサートタイプ/ラップタイプ両方で使える汎用性
フレキシブレード4mm(最大クラスのFlexiblade)— 太いが回転不足が起こりやすい
次に試したのが同じFlexibladeシリーズの4mmです。これはシリーズ中最大の太さで、ガッツリ系の茎や細めの竹っぽい茎にも対応できそうな剛性を持っています。

使用感としては、太くて固い分、切断面はしっかりしていますが、今回のように22.5cc〜23ccクラスの小排気量機では「回転が不足している」印象を受けました。具体的には、刈る際にナイロンが十分に遠心力で伸び切らず、切断面がやや荒くなったり、刈りムラが出たりすることがありました。排気量が大きければ状況は改善するはずです。
また、4mmは構造上、インサート可能なヘッドで使うことが前提となる場合が多く、巻きつけ式のヘッドでは取り回しが難しいケースもあります。ジェットフィットのような2本出しインサートヘッドには合いますが、エンジンの余裕がないと本領を発揮しにくいというのが正直な感想です。
実用上のポイント(4mm)
- 太く剛性が高く太い茎に強い
- 22〜23ccクラスでは回転不足や切れムラが出ることがある
- インサートタイプのヘッド推奨
- 中〜大排気量(27〜30cc以上)との組み合わせで真価を発揮

テクニブレード7mm — 最大級のジャギー刃、茎の太い雑草向け
最後に試したのがテクニブレードの7mmです。これはジャギー(ギザギザ)タイプの最太モデルで、セレーションの角度がフレキシブレードよりもシャープで「実際に刃物の刃が付いているような」切れ味を見せます。
7mmは6mm(黄色)と7mm(赤)の2種類があって、7mmの方がさらに太く頑丈です。大きな茎やしっかりした雑草を刈る時には非常に頼りになります。一方で、今回使用した22.5〜23ccクラスの機体だと、やはりパワー不足が気になりました。刈っている最中に絡まりを起こしたり、ナイロンが十分に伸びきらない状態が発生しやすかったのです。
7mmは一見頼もしいですが、エンジン排気量が適切でないと効率が落ち、むしろ手間が増えることになります。現場の草の状態や機体の排気量によっては、7mmはややオーバースペックになる場合がある、という印象を持ちました。
実用上のポイント(7mm)
- 太い茎や堅めの草に強く、刈断力は非常に高い
- 刃の角度が鋭く、切れ味は抜群
- 小排気量機では絡まりや回転不足が起きやすい
- 27〜30cc以上の機体との組み合わせが望ましい

なぜ細い2.65mmが良かったのか — 回転と遠心力の関係
ここで重要なのは「刃の太さと機械の排気量(エンジンの力)はトレードオフである」という点です。刃が太いほど切断力は増えますが、太さに見合った回転数と遠心力がなければナイロンは十分に伸びず、切断効率が下がります。
今回の実験では、22.5〜23ccクラスの草刈機を使用しました。エンジン出力が限定されるため、ナイロンを十分な速度で回すことが難しく、結果として2.65mmのしなやかさと適度な強度が最もバランス良く働きました。言い換えれば、細めの刃は低速でも切れ味を保つ特性があるため、小排気量機では優秀な選択肢となるのです。
実務的な見解
- 小排気量(22〜24cc)→ 2.65mm〜3.5mmを基本に検討
- 中排気量(27〜30cc)→ 3.5mm〜4mmが使いやすい
- 大排気量(30cc以上)→ 4mm〜7mmまで選択肢が広がる
これはあくまで目安ですが、現場での作業効率を考えると、排気量に合わせてナイロン径を合わせることが最もトラブルが少なく、効率的です。

ジェットフィット(Jetfit)2本出しヘッドについての注意点
ジェットフィット2本出しはインサート式のナイロンヘッドで、複数のラインを短時間で交換できる利便性があります。今回のようにフレキシブレードの2.65mmや4mmを挿入して使用することが可能です。大径のナイロンは一般的にインサート式の方が安全に使えますが、巻きつけ式でも対応する細いタイプもあります。
ポイントは「ヘッドの仕様」と「ナイロンの径」が適合しているかどうかです。無理に太いナイロンを無理やり装着するとバランスを崩したり、ホルダーやヘッド自体の寿命を縮める可能性があります。
現場での使い分けと応用例
以下は現場別の推奨運用例です。実際の草の硬さや密度、茎の太さによって最適解は変わりますが、参考になります。
家庭の芝生や軟らかい雑草(低〜中密度)
- 推奨ナイロン:2.65mm〜3mm
- 理由:切れ味が良く仕上がりがきれい。小排気量機で十分
空地、畦道、雑草が混在する場所(中〜高密度)
- 推奨ナイロン:3mm〜4mm
- 理由:少し太めにすることで耐久性と切断力を確保。排気量は中クラス以上が望ましい
高茎や固い茎(ススキ、太い雑草、荒地)
- 推奨ナイロン:6mm〜7mm(テクニブレードなど)
- 理由:太い茎に対応できる高い剛性が必要。30cc前後以上の機体推奨
作業のコツとトラブル回避
刈払機とナイロンを安全かつ効率良く使うための実務的なコツをまとめます。
- 回転数は必要に応じて最大近くまで上げる。特に太いナイロンを使う場合は遠心力を得るために高回転が必要
- ナイロンが絡む、切れないと感じたらすぐに機械を止めて確認。無理に回し続けるとヘッド破損や危険が伴う
- ナイロンの交換は規定どおりに。無理に長さを短くしたり、切り方を変えるとパフォーマンスが落ちる
- ヘッドに合ったナイロン径を使う。特に太い径はヘッド設計上使えない場合がある
- 刈り始めは芝や草に対して斜めに入れるなど、刈り方で刃への負荷を分散する
よくある質問(Q&A)
Q:2.65mmは切れ味が持続しますか?
A:使用条件にもよりますが、硬めの秋草でも安定した切れ味を示しました。頻繁に使う現場では消耗もありますが、細い分交換もしやすくコストパフォーマンスが良いケースが多いです。
Q:4mmや7mmは絶対に大排気量でないとダメですか?
A:絶対ではありません。ただしパフォーマンスを出すにはある程度の回転数とパワーが必要です。22〜23ccクラスの小さい機体でも使えないことはありませんが、回転不足で効率が落ちたり絡まりやすくなります。
Q:ジェットフィットはどのタイプのナイロンでも使えますか?
A:ジェットフィットはインサートタイプなので幅広いナイロン径に対応しますが、ヘッド自体の仕様に依存します。無理に規格外の太さを入れるのは避けてください。
まとめと購入のすすめ
今回の比較でわかったことはシンプルです。ナイロンの太さだけで最適解を決めるのではなく、「ナイロン径」と「草の状態」と「草刈機の排気量(出力)」をセットで考えることが重要だということです。
実際の現場では、細い2.65mmのフレキシブレードが想像以上に使いやすく、小排気量機での作業性に優れていました。反対に4mmや7mmは大きな負荷に強く高耐久ですが、機体のパワーが足りない場合は却って効率が悪くなる場面が見られました。もし4mmや7mmを使うなら、27cc〜30ccクラス以上の機体を検討するのをおすすめします。
これらのナイロンカッター製品はオンラインストアで購入可能です。用途や機体に合わせて適切な径を選び、安全と作業効率を両立させてください。
商品や選び方で迷ったら、現場の草質やお使いの刈払機の排気量を教えていただければ、より具体的なアドバイスができます。安全第一で作業を行ってください。

この検証が皆さんのナイロンカッター選びの参考になれば幸いです。安全に注意して、作業効率の良い組み合わせを見つけてください。